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Apple Payをめぐるモバイル決済、第3ラウンドをうらなう

Apple pay europe



今回も米国シリコンバレーからブログを書いております。
ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されていた記事からです。

クレジットでの支払い、いわゆる「クレジット決済」を考える時に、絶対に必要な役割が3つあります。ひとつは、カードを発行する「カード会社(銀行)」です。もうひとつは、「加盟店」、いわゆるカードが使えるお店です。そして最後に「カード利用者」です。



「カード会社(銀行)」「加盟店」「カード利用者」のどれが欠けてもクレジット決済は成立しません。



それはご説明しなくてもおわかりになるでしょう。「カード会社(銀行)」が無ければそもそもカードは存在しません。「加盟店」がなければ、カードがあっても使える店が無いので、意味がありません。「カード会社(銀行)」と「加盟店」があっても「カード利用者」がいなければ、カードの発行はできません。



モバイルでクレジット決済サービスを行おうとするならば、「カード会社(銀行)」、「加盟店」、「カード利用者」をできるだけ多く獲得しなければ成功することはできません。「カード会社(銀行)」が多く参加すれば、使えるカードが増えます。使えるカードが増えれば、「カード利用者」も増えます。「カード利用者」が増えれば、「加盟店」も増えてくるからです。



さて、ここまでは前振りです。米国ではこれまで、モバイルクレジット決済を開始したいくつかのサービスがあります。主なものは以下の4つです。

1.Google Wallet
2.ソフトカード(旧ISIS)
3.CurrentC(MCX)
4.Apple Pay

ウォール・ストリート・ジャーナルによるとソフトカードは、「先週、従業員60人余りを解雇し、残った従業員に買い手を探す間の業務停止を言い渡した。」ということです。そしてソフトカードの買い手として登場したのが、Google Walletです。つまり上記リストの4つのサービスのうち、2つが統合する公算が強いという展開になっています。



ソフトカードはなぜ失敗したのでしょうか。ソフトカードの母体はAT&T、ベライゾン、Tモバイルといったキャリアです。キャリアはスマートフォンをユーザーに販売している立場なので、クレジット決済の3大役割である「カード利用者」を獲得するのは得意です。しかし、「加盟店」や「カード会社(銀行)」を巻き込む力が弱かったと考えられます。



ソフトカードを買収しようとしているGoogleですが、こちらも早くから鳴り物入りで登場したものの、元々母体はネット企業であり、3大役割である「加盟店」との繋がりが薄く、使えるお店が少ないため、「カード利用者」が増えず、瓦解しつつあります。



つまり、Googleのソフトカード買収は、いずれも「加盟店」獲得能力が弱く、成功はおぼつかないと私は見ています。



Apple Pay最大のライバルはCurrentCです。母体のMCX(Merchant Customer Exchange)はWirelessWire Newsによると、「大手小売チェーンのウォルマート(Wal-Mart)、ターゲット(Target)、セブンイレブン(7-Eleven)、シアーズ(Sears)、ベストバイ(Best Buy)、それにシェル(Shell)やスノコ(Sunoco)といったガソリンスタンド・チェーンや大手のファミレスチェーンなど」ということです。



つまりCurrentCは「加盟店」が自ら集まって作ったサービスですから、「加盟店」獲得の必要はありません。お店には多くの買い物客が来ますから、「カード利用者」獲得も容易です。「カード会社(銀行)」との関係はよくありませんが、MCX自らがスマートフォンのバーチャルプリペイドカードを発行しようとしています。つまりMCXが「カード会社」の役割を果たすということになります。



一見隙が無いように見えますが、弱点はバーチャルカードをこれから発行しなければいけないという点です。ユーザーからしても、すでに持っているカード会社や銀行のカードが利用できないのは、やはり不便です。ただお店の割引やキャッシュバックがあるので、そこそこ利用者を獲得するはずです。



さて、迎え撃つApple Payはどうでしょうか。Appleがすごいと思うのは、クレジット決済の3大役割である「カード会社(銀行)」、「加盟店」「カード利用者」という構造を十分理解し、周到な準備をしてきたことです。



9月にApple Payが公表されました。その時にはすでに名だたる「カード会社(銀行)」とグローバルな決済ネットワークであるVISA、MasterCard、American Expressとの提携は完了し、システムも構築済でした。それだけでも1年以上前から準備していたのではないかと思われます。それだけでなく、大手の「加盟店」22万店との提携も行われていました。「カード利用者」はiPhone 6/6 Plus購入者は誰でも(ただし米国のみ)カードを登録するだけで利用できます。ここまで準備していれば成功の道筋は見えていたも同然です。



ただ、問題はライバルMCXに所属する「加盟店」がApple Payの利用を拒んだことです。クレジット決済の3大役割のひとつ「加盟店」に抵抗されるのは、Apple Payにとって痛手であることは確かです。ただしMCXに属していないお店も数多くあるわけで、それらの店舗でApple Payの利用が拡大すれば、MCXに属する店舗もライバル店に顧客を取られるのを防ぐため、Apple Payに対応するに違いありません。



Appleはそこまで先を読んで、Apple Payのサービス開始を準備してきたことでしょう。CurrentCは米国の店舗グループのサービスなので、海外展開は無理でしょう。しかし、Apple Payはグローバルに広がることができます。それだけ見ても、すでに勝負は見えているのです。



(本文おわり)

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2015/01/19 | Apple Pay

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